平成13年11月のとある日、
なんとなく「英国へ買い付け行こうかな〜」と思った。
と言うか、気になる車が一台があったのだ。
善は急げ、急遽行くことにした。


柏から成田までは約1時間もあれば到着する。
近くの駐車場に止め、空港で一息し搭乗手続きを行った。



ロンドンまで12時間の長旅だ。英国との時差を無くすため寝るようにつとめた。
ここで寝ておかないと本当に辛いのだ。

ヒースロー空港無事到着。午後4時半。日本だと夜中の1時。
このご時世だから、いつもより日本人は少ないのかと
思っていたがニュースで言ってたよりは多かった様な気がした。
日本人ビジネスマンや観光客とともに入国許可をとる。

入国して、これから宿探し。
毎度のことで格安ホテルに宿泊。
今回はロンドンを中心にまわらなけらばならない。
とりあえず買い付けの旅である。

レンタカーを借りてロンドンへ向かう準備をする。
バックからお気に入りのLedZeppelin・Queenとデュラン×2の
CDを出しておく。
あと、忘れちゃいけないのが英国のロードマップ。
英国はこれさえあればどこへでも行けるのだ。
M4を使いロンドンへむかった。
時間は午後6時30分を回っていた。
渋滞がひどいので裏道を使う。住宅街を通りロンドンへ向かった。
ロンドンへ近づけば近づくほどクリスマスイルミが多くなって行く。
この時期は、普通の家もお店もクリスマス一色になる。



宿を見つける前にいつも通り本屋へ寄り道をする。
遅い時間に店をやっているのはロンドンか観光地くらいだろう。
英国のMINI月刊誌と何点か面白そうな雑誌を購入し、車を走らせる。
雰囲気のよさそうなな安宿を発見。


ベルを鳴らし親父が出てくるのをしばし待つ。
眠そうな親父がドアを開け、中へ入れと手招きをする。
雑誌を読みあさり、面白そうな所はチェックしておく。
時計を見ると金曜日の午前を少し回ったくらいだった。
明日に備えて早々と寝ることにした。


翌朝5時。
こんな早い時間から私はおきていた。
普段の私を知っている方なら信じられない話だろう。
安宿といってもティーセットは必ず置いてある。
湯沸しに水を注ぎスイッチを入れる。
英国の湯沸しは電気式が主流だ。
1分もしないうちにグラグラと音を立てる。
さすが200Vオーバーの威力・すごいの一言。
電気式シェーバーを使用すると脱毛も出来ると言う話もまんざらでもなさそうだ。

朝の一杯はもちろん英国茶。
ティーパックだが出しが早く渋みもよくでる。
一杯を飲み干した後、英国に来た実感が湧く。
さて、これからどうしよう。


取り敢えず外へ出る。
気候は日本よりちょっと寒いかな、
と言うくらいでこの時期はほとんど変わりはない。

真っ暗なロンドン市外をドライブがてら
アンティークマーケットへ向かう。

いつも行くアンティークフリマへ到着。
ディーラーも店の準備にせいを出している。


一頃に人垣があるので覗いてみるとスタンドバーだ。
私も熱めのホットチョコを頼み寒さをしのいだ。
ここのマーケットはヨーロッパのディーラーにもチット有名な所。
値段もいいが品物も良い。
が、物を見極める力があってこその話。
チラホラ日本人もいる、ここのマーケットにくる人はかなりのアンティーク好きである。


軽く見て明るくなり始めた午前8時、朝食をとりに宿へ戻る。
「朝食はどちらにする?」と聞かれ、当然「英国式で。」と答える。


英国での朝食は写真の通り。
格安の朝食はプレートが付かない、コーンフレークの朝食となる。
朝食を取り終えチェックアウトの準備をする。
チェックアウトはかなり遅く午前11時まで部屋にいられる。
ちなみにチェックインは部屋が空いていれば何時でも可能。
ただし、日本人観光客を相手にしているホテルでは午後3時が基本だ。


さていよいよお仕事開始である。
午前9時、知人のスティープへMiniPicUpの確認電話を入れる。
そう、最初のお目当ては今では珍しいミニピックアップである。
1974年式・色はグリーン。

「スティーブ、今から行くけどオイルとポイント変えといた?」
「何時にくるんだい、もー準備は出来てるよ。」
「今、ロンドンだから約2時間くらいでいくよ。」

電話を切り愛車?フォード・フォーカスでいざ出発。
M3をひたすら南に約200Km走るとそこに到着する。
目的地まで行く途中、たまに下道を通る。
英国の雰囲気を楽しみながらのドライブは仕事を忘れてしまう。


ここで茶のみ話・・・
今回私が借りたフォード・フォーカスはラリーでも活躍
(滞在中ウエールズでWRCを開催)しているモデル。
このモデルが英国ではブレーク中。来年早々にも日本へ輸入開始されるようだ。
ちなみに、ニューミニも結構走ってました。



11時30分過ぎくらいに現地へ到着。
かなり寄り道をしてきたらしく予定時刻を大幅に遅れる。
しかし、ここは英国である。
時間に多少ルーズでも多めに見てくれるのだ。

出迎えに出ていたスティーブが手を振って待っている。
早々と仕事にとりかかる。
英国でも最近ではMiniPicUpはかなり希少になっている。
ま、どこの国でもそうだが働く車の保存率はかなり低い。
そんなこんなで色々考えながらMiniPicUpを品定めする。
日本にいる時から情報をもらってたので最終確認程度で品定めを終了。
一緒に昼食を済ませた後、MiniPicUpを日本へ向けての出国準備をしに港へ向かう。
その前に必ずトイレにて用事を済ませる。

ここで茶のみ話・・・
英国では必ず茶のみ話のときに英国茶が出てくる。(オールドファッション誌参照)
最近ではコーヒーも多くなってきたけどやはり主流は英国茶。
これは日本のそれに比べるとやけにカフェインが多いらしく、
人体の利尿作用をMAXまで引き上げてくれる。たかが30分が
命取りになりかねないのである。
ご婦人方が英国をご旅行されるときはこの点を注意されたし。



スティーブは仕事があるので彼の駐車場にレンタカーを置かせてもらい、
私はピックアッップを走らせた。
ここが港町の保税倉庫街。
英国発=世界行きの駅なのだ。


帰りは保税倉庫街を出たところでタクシーを止める。
ロンドンでは名物のロンドンタクシーだが、
地方へ来ると普通のタクシー(ファードが多いか)。
英国のタクシーはロンドンタクシーと思われている方が多いと思うが、
地方ではほとんど走っていないのだ。

でも、タクシーの乗り方はロンドンと一緒。
運転手に行き先を告げて乗車する。

ここで、乗り方について講釈。
オーストラリアのシドニーでは乗り方までは一緒だが
乗車はまず、一人のときも複数のときも助手席から乗る。
これは何故か?いわゆるボッタクリ防止対策。
「俺はジモピーなので道は知っている」の意思表示。
日本人の観光客は後部に乗るためかなりボッタくられてるとか・・・

ロンドンではまずこのようなことはないし、
車の性質上・後部座席に乗るのがあたりまえ。
ただ、地方の普通車型タクシーはどうなのか?
どちらでもよさそうだった、ちなみに後部座席に座った。

出国手続きの書類作成で手間取ったこともあり、
タクシーで着いた頃にはもう、暗くなり始めてる。
しかしまだ午後3時を少し回ったところだ。

こちらでは皆ライトを点燈させている。改めて日照時間の短さに驚きを覚えた。
スティーブとは次回また会う約束をしそうそうに退席した。


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